マンションについて
リゾート・マンション問題という点では、新潟県湯沢町が有名です。
東京から167キロの同町に上越新幹線や関越自動車道が開通したのが1985年で、この頃から急速な建設ブームがやってきました。
89年末までに5036戸が建設され、93年までに計63棟1万5552戸。
東京の業者が建て、東京の人が買っています。
販売広告も東京でだけ出廻るし、地元信用機関を通じる住宅ローンの利用もありません。
町の不動産業者さえほとんど出番がなかったのです。
まさに、TOKYOがやってきて、人口1万人弱の温泉町はTOKYOに飲み込まれてしまったのです。
人は「東京都湯沢町」と呼びます。
建設が特に集中した岩原地区では、地価が86年の坪15万円から3年間で10倍にも跳ね上がりました。
地価上昇に伴って固定資産税額も88年には3億2000万円に急上昇しましたが、この程度では上下水道や道路・公園等の整備と消防・ゴミ処理に追いまわされる町財政負担の間尺に合いません。
建設課長が収賄で逮捕され、町長も退陣するなど、町民はあっという間の暗転に頭を抱えているのです。
若い人はマイホームを求めて隣町に移住し、古くからの民宿・旅館は閉じ、町の誘致企業さえ高値で土地を売却して撤退してしまいました。
ほとんどガランとした、夜も点々としか灯がつかないゴースト・マンションは、窓を開けると隣の窓といった有様で、買った人も価格上昇の思惑が外れて思案している状況なのです。
東京マネーが新幹線に乗ってやってきて、しこたま殖やしたマネーが再び東京に回収されました。
あとには、キツネにつままれた顔の地元と購入者が取り残されたのです。